4/20/2021

「東京23区でアメリカ全土が買える」と言われた頃、何をしておくべきだったか?


こんにちは。公認会計士の山本です。

私が大学に通っていた頃、日本はバブルの真っ只中にあり、「東京23区でアメリカ全土が買える」と言われていました。強烈な資産インフレが起きていたのだと思いますが、

ただ、以前、blogに書きましたが、1989年に北京からモスクワまで列車で行った時、乗り合わせた中国人から、「日本はスーパーパワーだ」と言われたのですが、今では考えられませんが、日本はインフレを差し引いても、そのくらい圧倒的な「力」を持っていました。

まあ、ただ、その後の展開は、1億2千万人の日本が相対的に落ちていくのは仕方ないとしても、一人当りの所得が全く増えていない、というのは、ホントの意味で落ちているのだと思います。

これは私が若い頃、中国、香港にいた頃、いつも考えていたことなのですが、当時、1990年代の中盤から後半にかけてですが、日本はバブルが弾けたとは言え、それでもまだまだ「力」があり、銀行員として上海、香港に駐在していた私も、単に日本人というだけでプレミアムが付いているような状態でした。

ただ私は、このプレミアムが、個人の能力に由来しているものではないことを知っていました。何故なら「日本人だから優秀」という訳ではないことを肌感覚で知っていたからです。私の知っている中国人、香港人は優秀で、貪欲な人たちばかりでしたので。

自分達と同じような能力を持った人たちが、自分達より貪欲に仕事に取り組み、給料は自分たちより遥かに低い。では、どうすべきか? 答は自ずから明らかで、同じ土俵で勝負してはいけない。同じ土俵で勝負するのではなく、彼らに働いてもらう関係にならなければならない。と、いつも思っていました。

なので私自身は、2000年代の初めから、中国の会社の株を買っていたのですが、(

私はこれを、個人のレベルではなく、企業がやるべきだと思っています。

日本企業は単純労働者として外国人に働いてもらうことはします。賃金の低い国に製造拠点を作ったり、外国人労働者に日本に来てもらって、低賃金労働に従事してもらったりしています。

しかし、外国人に任せる発想や、それを可能にする仕組みを持たないため、それより上のレベルでは働いてもらえていません。

以前、ネスレが海外で如何に売り上げているか書きましたが()、人口800万人強のスイスという小さな国の企業でも、外国人に任せる仕組みを持っていれば、ああいう世界展開が出来る訳です。

私がやりたいと思っている、日本企業に、ドイツの「隠れたチャンピオン企業」のように、海外子会社を何社も持ち、世界展開をしていって欲しい、というのも()同じ発想です。

「東京23区でアメリカ全土が買える」と言われていた頃、そういう発想を持ち、世界展開できていたなら、その後の展開は大分、今とは異なるものになっていたと思います。

ただ、そうは言っても、まだ日本のGDPは世界3位であり、海外で商売できる製品やネタをたくさん持っています。今からでも、そういう発想で、そういう展開をしていってもらいたいなと思います。