こんにちは。公認会計士の山本です。
ネスレというと、コーヒー、チョコレート、アイスクリーム、ペット用品等々、
日本のどこのスーパーでも見かけますが、
この会社の2017年のアニュアルレポートを見てみますと、
満遍なく、国・地域をカバーしていることが分かります。
また、アニュアルレポートには、
85ヵ国に工場があり、189ヵ国でモノを売っている、とあり、
ブランドに至っては、2000を超えるブランドを有している、とあります。
まあ、しかし、
こういうのを見ると、
少し残念な気持ちになります。
何が残念なのか、と言えば、
ざっくりと言ってしまえば、
私が社会人を始めた頃は、
日本企業は、日本人だけの頑張りで、
世界の中で、それなりの地位を占めることに成功した、
まさにそういう時代だったと思うのですが、
その後、若し、
こういうネスレみたいなことが出来ていれば、
って、思ってしまうんですね。
例えば、
ネスレのフィリピンでの売上は、
日本での売上よりも1千億円多い、3千億円ですが、
日本企業で、
フィリピンのように経済規模が小さく、
一人当りのGDPも小さなところで、
こういうビジネスが出来る会社というのは、聞いたことがないように思います。
多分、そのためには、相手が欲するモノを、
その人の手に届く価格で提供することが必要だと思うので、
単に、自分の所のモノを持っていくだけではなく、
現地のニーズを捉え、それを形にし、
現地の人がやる気になって働く仕組みがあり、
本社の人も、そういったニーズに対応する準備があり、
そういう現地化したモノを提供しても、
全体として、ネスレであり、
それでいて、高価格帯のブランドの信用を傷付けることもない、
ということが出来ないと、
フィリピンで3千億円は無理なのでは、と想像してしまいます。
で、これが出来るから、
中国圏、ブラジル、メキシコ、ロシア、インドでも、
同じように展開できるんだと思うんですね。
要は、経営者の発想であり、
それがあった上で、
実際にコントロールができるか、ということだと思うんですね。
そういう意味では、
日本の経営者の方々にも、
フィリピンで3千億円売るには、どういう「仕組み」が必要か、
考えてもらいたい気がします。