10/28/2019

所有者不明の土地と登記制度

こんにちは。公認会計士の山本です。

相続人全員が相続放棄しても、
被相続人(故人)が所有していた土地は、
その土地に利害関係を有する者が「相続財産管理人の申立」を家庭裁判所に申立て、
一定の手続を経ない限り、
誰のモノでもないのだけれど、登記上は「死んだ人」の名義のまま残り続けてしまう、
ということを書きました。
で、これとは趣を異にするのですが、
私の父方の祖父の兄が、昭和20年代に、子供がなく、亡くなったにも係らず、
当時、特に登記を変えなくても、その人の持っていた土地の利用に、
周辺に住む親族は、支障がなかったため、
その人名義のまま、登記を変更せず、
やがて、時が流れ、そこに住む親族がいなくなり、
誰が相続人かも分からないような状況になってしまい、
その故人名義の土地を誰もどうすることも出来ない状況になってしまった、
という話も書きました。
2年前のブログの件、先週のブログの件、と、
こういったことが身近に起こったこともあり、思うのですが、
存在しない人間の名義のままでもOKという登記制度は、
今更ながら、おかしいのでは、と思えます。
全員が相続放棄したのであれば、自動的に国の名義にするか、
若しくは、
「相続人不存在につき誰のものでもない。但し、管理者は相続放棄した〇〇。」という登記にすべきでは、
と思えますし、
相続を放棄した訳ではないのに、
「死んだ人」の名義のままになっているのは、
例えば、3年の猶予を経て、国が没収するなり、
若しくは、相続人に、生きている人間の名義に登記を変える迄、
罰金を科し続ける、等、したらどうなのか、と思ってしまいます。