9/26/2018

会計士と税理士の違い

 
こんにちは。公認会計士の山本です。
「会計士と税理士って、どう違うんですか?」という質問を受けることが
少なからずあるのですが、
まあ、似たようなことをしている訳ですし、
しかも、(私自身もそうなのですが)、時々、会計士と税理士の
2つの資格を名乗っている人間がいたりするので、
尚更、ややこしいんだと思います。
両者の違いについては、公認会計士法(第2条)税理士法(第2条)に、
其々の資格がないと出来ないことが規定されているので、
そちらを参照して頂ければよいと思いますし、
そこから先の、例えば、
「どっちが優秀なんですか?」とか、
「どっちが偉いんですか?」といった
よくある質問については、
人其々なので、
「自分が知っている会計士はこうで、税理士はこうだ」くらいのレベルでしか
モノが言えないように思っています。
ということで、この質問に対する回答は、
私的には、其々の法律を見てください、ということになるのですが、
ただ、いつも、この手の質問だったり、
「税理士です」ではなく、「会計士です」と言っているのに、
「消費税が上がると仕事が増えて大変でしょ」
みたいなことを無邪気に言われると、
「あっ、この(たぐい)の質問って、会計士が何をしているか、
知らないから、聞かれるんだ」と思う訳です。
会計士という資格は、世界中、ほぼ全ての国に存在し、
認知度、信頼度も圧倒的に高いので、
例えば、私が海外企業の日本子会社の監査をしている時など、
親会社が日本の税務について質問をしてくるのは、
私より、余程、日本の税務に詳しい、子会社の税理士ではなく、
会計士である私な訳で、
これは、税理士という制度が、
日本のような形で発達している国があまり、というか、ほぼ無い、ということと、
一方で、会計士という制度が、どこの国にも、存在しているため、
彼等が会計士の方を、より信頼してしまう、ということなんだと思うのですが、
日本の場合、
上場会社を除けば、
会社の会計情報を必要とするのが、
ほぼ、税務署のみ、という状況があり、
民間の信用は、
「あなたが信用できるかどうか、信頼できる数字で示してください」とは
決して言わない社会なので、
対税務署以外に、対外的に、会計情報を作る必要がない。
なので、感覚的に言うと、
日本人の99%は、
「会計」=「税務」
という発想になっている。
まあ、これは我々の文化や人間関係の作り方、商慣習等をベースに
形作られているものであり、
また、当HPの他の箇所でも、度々、書いていることなのですが、
個人的には、そういう発想でも、
また、会計士が何をしているか知らなくても、
それで問題が起こっていないのであれば、
それはそれで、全く問題ないと思っているのですが、
ただ、時々、それだと、勿体ないことになっているケースがあったりする。
このHPのトップにある「会計を使った方が得」というのは、
私の考える、そういう場合に当て嵌まるケースを言っている訳でして、
そういった時にまで、
「公認会計士と税理士って、どう違うんですか?」のままだと、
何だか、勿体ないな、という気持ちになってしまいます。