こんにちは。公認会計士の山本です。
日銀の総資産が、過去最高の528兆円になった、
というニュースが、先週、流れていました。
前々から一度、中央銀行の貸借対照表(以下「BS」)を
見てみたいと思っていたので、
中央銀行のBSと言うのは、実際に見てみると、
なかなか、他の企業と違っていて新鮮でした。
黒田さんが総裁に就任した平成25年3月末と、直近の平成30年3月末を
比較形式にしてみますと、
これを見て、思ったことは、
黒田さんが就任してから、日銀がものすごい勢いで、国債を買っていると聞いていたが、
実際、その通りだった。
ETFを買っている、とは聞いていたが、この表を見ると、国債448兆円と比べてしまうせいか「まだ18兆円」という気持ちになってしまう。
負債の大半は「発行銀行券」と「当座預金」。
「発行銀行券」は、日銀がこれまでに発行し、市中に供給した日本銀行券(お札)のうち、日銀に戻ってきていないものの残高を表す科目。「お金を払わなければならない」、「何かをしなければならない」という、一般的な意味の「負債」ではない。
「当座預金」は、金融機関の日銀に対する預け金。内国為替や手形決済、その他、金融機関同士の決済に使われるが、究極的には、金融機関にとっては、日本銀行券をその額だけ、日銀から受け取れる権利であり、日銀にとっては、日本銀行券を刷って、金融機関に渡す義務。まあ、ただ、これも、刷って渡せばいいので、「発行銀行券」同様、普通の意味の「負債」とは異なる。
世の中の日本銀行券に対するニーズはあまり増えていない。「当座預金」が320兆円も増えているのに、「発行銀行券」は20兆円しか増えていない。
「国債」の増加(322兆円)の見合いは、主に「当座預金」の増加(320兆円)。
「国債」は、銀行から買っているので、増えているのは分かりますが、その見合いとして、「当座預金」がほぼ同額、増えている理由がよく分かりませんでした。この点については、次回のブログで考えてみたいと思います。