こんにちは。公認会計士の山本です。
今日は「公認会計士はインターナショナルな資格」ということについて、
ブログを書いてみたいと思います。
私は30代になってから、公認会計士の勉強を始め、資格を取り、
それまでの職歴や、他の資格と比べて、
この資格は、つくづく「インターナショナルな資格」だな、と思っています。
勿論、公認会計士の誰もが、英語を喋れる訳ではないのですが、
この資格、
資格の要件として、
2つの世界共通語を持っていることが条件になっているんです。
一つは「会計」、
で、
もう一つは「監査」です。
「会計」は言うまでもないと思いますが、
世界中の会計基準が同じ方向に収束しつつある中、
どこの国の、どんな事業でも、同じ基準で映しとれる。
モザンビークの八百屋でも、
アメリカのコングロマリットでも、
日本政府でも、
私という一個人でも、
同じ基準で映しとることができます。
逆に言えば、
「会計」に、こういう特性がなかったなら、
例えば、最近の話で言えば、
武田は、シャイアーというアイルランドの会社を、
買収しようと思わなかったのではないかと思います。
「会計」が世界共通語ということについては、
特に、ビジネスの世界にいる人の間では、
多くの人が同じ認識を持っていると思うのですが、
一方、
「監査」が世界共通語ということについては、
殆どの人は、
「そもそも『監査』って何なんだ?」という感じになるのではないかと思います。
例えば、日本の総合商社。
世界中のありとあらゆる国・地域で事業を行っています。
で、その事業の結果が、「会計」で集計され、グループ全体の数字となり、
そのグループ全体の数字が正しいかどうか、公認会計士が監査意見を出します。
で、その際、
監査意見を出す、日本の公認会計士が、
全ての国・地域に赴き、自ら監査をしているか、と言えば、
勿論、そういうことはなく、
其々の国・地域の公認会計士に監査を委託し、
例えば、バングラデシュの事業なら、
バングラデシュの公認会計士に監査を委託し、
その監査の結果を信頼し、
バングラデシュの事業も含めたグループ全体の数字に対して
日本の公認会計士が、監査意見を出す、
という仕組みになっている訳です。
つまり、「これができる」というところが、
公認会計士が「監査」という世界共通語を持っている、ということな訳です。
要は、何処の国の、どんな公認会計士であっても、
出てくる結果の「質」にバラツキが出ないように、
監査のやり方、考え方、様式が、
世界共通で整備されている、
ということなんです。
日本人的には、
公認会計士は会計、弁護士は法律、税理士は税務、社労士は社会保険を知っていれば、
後は、其々がプロ意識を持って、一生懸命、取り組めば、
提供されるサービスの「質」も、自ずと一定以上に保たれるだろう、
と考えるのではないかと思うのですが、
他民族社会に生きる人たちは、
それだけでは十分ではなく、
その上に、提供されるサービスの「質」を保つために、
「手続」を整えていく、という発想をする、という感じかと思います。
日本社会の中だけで生きているのであれば、
「会計」も、「監査」も、なくても問題ない世界が広がっている感がありますが、
その外側で活動する時は、
細かいところは知らなくても良いと思うのですが、
「会計」、「監査」の本質的なメリットは知っておいて損はないのではないかと思います。
まあ、それと同時に、公認会計士の側も、
2つの世界共通語を使えることを、
もっと、アピールしていくべきなんだとは思うのですが。