10/16/2017

会社を畳むことを考えてみてはどうですか?

 

こんにちは。公認会計士の山本です。
10年程前のことですが、知り合いの社長さんの会社の業績が急激に悪化し、
資金繰りの目途が立たなくなってしまったことがありました。
銀行は、晴れた日には傘を貸してくれますが、雨の日には貸してくれませんので、
追加融資は断られ、それだけならまだしも、銀行の担当者から「この財務内容では貸してくれる銀行はありません」と言われたそうで、途方に暮れていました。
まあ、しかし、この手の銀行員は「スカッとジャパン」で成敗してもらいたい気がします。融資を断るのは、ビジネスなので、構わないと思うのですが、その(無責任な)(虎の威を借るような)一言は、全く以って要らない。
で、その会社の状況や、当時、政府が中小企業向けに打ち出していた政策、銀行のタイプ毎の融資スタンスなどを考え、
私は、社長さんに、どういう銀行に、どういう経路で、また、どういう風に話を持って行けば借りられる可能性があるか、お伝えし、(勿論、ウソや粉飾は無しで、)
結果として、社長さんはお金を借りることに成功し、会社は今も存続しているのですが、
当時、私は、社長さんにアドバイスすべきか、相当、悩みました。
何故なら、既存の借入が20百万円近くあり、ここで更に20百万円の借入をすると、
会社が倒産した場合の、社長の負担が大きくなる。
20百万円と40百万円では、一個人にとって、重さが相当、違います。
また、会社の業況が悪くなっているのも、外的環境だけでなく、
社長の経営方法にも、かなり大きな問題を感じていたため、
このまま事業を続けた方が良いのか、考えてしまいました。
なので、社長さんに、率直に、思っていることを伝え、
会社を畳むことを考えてみてはどうですか、と言ったりもした訳ですが、
社長さんから、そういうことを言ってくれるのは有難いが、
それでも、自分は会社を続けたい、と言われたので、
最終的には、アドバイスしたのですが、
まあ、何にしても、「個人保証」というのは重い。
これだけ重いと、
経済が殆ど成長していない、今の世の中、
そういうリスクを取ってまで、事業をしたいと思う人が少ないのも納得できますし、
事業を承継しようという人が少ないのも頷けます。
また、その一方で、一旦、事業を始めてしまうと、自分の一生が掛かってしまうので、
業況が悪くなった時、どんなに悪くなった場合でも、事業を続けようと頑張ってしまう「力」が働き、状況を更に悪化させてしまうことも多く見られる訳で。
まあ、どちらにしても、個人保証により「信用」を生み出す方法は、そろそろ考え時なのではないかと思います。
そういう意味で、
若し、コストを払ってでも、事業のみにより「信用」を生み出したいとお考えの経営者の方がいらっしゃるようでしたら、一緒に方法を考えさせて下さい。
その場合、雨が降り出してからでは遅いので、晴れている間に手を打つことを考えて欲しいと思います。